7.14.2013

新しょうがとお湯葉のちらし寿司


夏になると、酸味が利いたちらし寿司が美味しい

父方の故郷は四国高知。
夏休みになると、ひと月程その頃住んでいた大阪から、
プロペラ機に乗って祖父母のいる南国土佐へ遊びに行っていました。
田舎へ行くと云えば、幼い頃に訪れた
明るい太陽と、どこまでも続く大きな海です。

とても豪快な女性であった祖母は、
ちまちましたお料理はきっと苦手だったのでしょう。
なんでも、たっぷりと。
新鮮なお魚や、果物を食べきれない位
用意して、大皿にどん!と。
大阪で食べるお魚とは全く違うすっきりした脂の旨味、
新鮮な歯ごたえに
パクリパクリひと夏で数キロも体重が増えて、空港まで
迎えに来た両親が自分の子供だと気づかない程
ふっくらして帰ってきたそうです。

その豪快な祖母がよくお昼ご飯に作ってくれていたのが、
柚子酢100%で作るちらし寿司。(地元では ゆのす と言います)
馴染みのお魚屋さんが拵えたカマスや、鰺の干物を網で焼き、
ふっくらした身を手でほぐし、新しょうがの甘酢を刻んだものと、
柚子酢をあつあつのご飯に混ぜるだけの一品。

錦糸卵も椎茸も絹さやの彩りも何もないのですが、
とても爽やかで美味しかったのです。


梅雨が明けて、じりじりとした日差しを感じ始める今頃
毎年私はちらし寿司が作りたくなり、
新しょうがを甘酸っぱく煮て、美味しい干物は手に入りにくいので
代わりに、甘湯葉を出汁とみりん、塩、醤油でしっかりめに炊いて
常備している柚子酢におじゃこを入れて酢飯を作り
いそいそと、精進ちらし寿司を用意します。






最後に祖母に会ったのも夏。
豪快で、時代劇が好きで大きながま口のお財布をひっくり返して
ジャラジャラ、音をたてて絨毯に撒かれたお金を
夏休みに集まった幼い孫達に好きなだけ持って行きなさいと、言っていたなあ。
いつまでも色褪せない存在。
ゴッドマザーと夏の味です。



 






0 件のコメント: