久しぶりに裏の森を歩くと
すっかり、秋の草花へと衣替えです。
幼い頃、家の近くにあった
大きなグラウウンド脇の花壇に
自分だけの遊び場所がありました。
ツツジのような甘い蜜のある花で、こんもりとしたアーチ型になっており
小さな身体がすっぽりおさまるボタニカルな小部屋。
まだ小学生になる前、午后の時間にたっぷり遊べる頃でした。
れんげ草やクローバーで首飾りを作ったり
干し草のベッドに憧れていた私は
ハンカチを敷き詰めて横になり
ハイジの気分を味わいご満悦だったように思います。
何より草花の新鮮な香りに包まれているのが楽しくて
秘密基地へと足繁く通っていました。
夕暮れ間近、ひんやりした風が草の匂いを含んで
辺りが暗くなると、今まで感じていた楽しさはなくなって
急にその場所が怖くなり、心細くなって
走って家へと帰っていました。
大人になった今も
夕暮れ間近にお散歩に出るとあっという間に辺りが暗くなり
森の中は木々の呼吸がしんしんと深く
目を凝らさないと足下も見えなくなります。
帰り道への目印にしていたお花の場所も見えなくなって
慌てない慌てない!と心の中で呟きながら
あいも変わらず、駆け足で灯りのある方へと
帰るのでした。
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